2009年2月アーカイブ

有用感

最近NHKで障害者を多数雇用している会社を取材した番組が報道されました。

その中でだいぶ年をめされた社長さんがこのような話をされていました。「私のしてきたことは美談ではなく人間の社会とはどのようなことか?ということを考えてきただけです。そして、四つの幸せ を大事にするという結論になりました。

それは、第一に、人に愛されること。第二は、人にほめられること。第三は、人の役に立つこと。第四は、人に必要とされることです。」この会社の業績は順調だとのことでした。

この4つのエッセンスは「有用感」というものです。反対語は無用です。

この社長は福祉の専門家ではありませんが、障害があろうがなかろうが、人として生きていく上で必要な要素を知るに至りそれを実践し続け成功をしてきたとのことです。

ニュアンスは「人はどう生きるべきか」ということではなく、「人はこうして生きていることにこそ価値がある」といわれているように思いました。人生は一本道です。道しるべは必要です。

(職員向けメッセージより)

利用者様をかけがえない個人ととらえ(個別化の原則)、
うまく感情・思いを表現できるように働きかけ(意図的な感情表出の原則)、
表面ではなく背景にあるつらさや苦しさなどに適切に反応し(統制された情緒関与の原則)、
あるがままの利用者様を全人的に受け入れるという(受容の原則)、
支援者は自らの価値観で利用者様を裁くのではなく「誤解ではなく理解をする関係」のために存在すること、そして利用者様に感じ取られるように関係する(非審判的態度の原則)、
主人公は利用者様本人であり支援者ではないとする(クライエントの自己決定の原則)、
最後に支援者との専門的支援関係で起きたことは他にもらしてはならないとした(秘密保持の原則)。

これらは、ソーシャルワークの援助技術の基礎である「バイスティックの7原則」と言います。

私が発信する「心のケアのメッセージ」は臨床心理からの知識が多いですが、福祉の援助技術の基礎的な知識でもエッセンスは近いものを感じます。これらのことは福祉の支援を必要とする全ての人に言えることです。

(職員向けメッセージより)

反応的な人とは状況によって起きた感情や気分に左右されやすい人を言います。

効果的な人は、何か事件が起こっても一時停止をして人間だけが持っている能力、自覚、想像力、良心、自由意志を駆使して答えを選択し最良の結果を導き出します。

「人間だけが持っているこの4つの性質(スペース)」の大きさが人間の器でありこれを成長させていける人は人生の成功者になります。これは意識的に行動することにより変えていけます。はじめは意識的にだんだん無意識でもできるようになります。

障害をもたれている人たちに威圧的、威嚇的な人は「反応的」な人なのだと思います。彼らの表面ではなく背景に意識を馳せることができないのです。効果的な人は了解不能な場面でも「スペース」を使い意味を探ろうとします。

自閉の方たちは、認知の仕方が違います。彼らの身になり考えることができるためには「スペース」を育てなければなりません。また、大変な状況に出くわした際「スペース!スペース!」と心の中に物理的な空間を作ると「反応的」にはなりません。

(職員向けメッセージより)

"人材"から"人財"へ

人材には4相があります。

福祉の理念、心をたて軸、スキルを横軸と考えると両方を持っていると「人財」となり、新人のように気持ちはあってもスキルが追いつかない人を「人材」といい、スキルはあるが気持ちが無いあるいは低いレベルにいる人を「人在」といいます。「人罪」は基本的に雇えない人たちです。

一般の企業で、もっとも問題とされるのは「人在」です。力があるのに発揮しないからです。これは「負の連鎖」の伝染です。新たな職員が入ってくる時この人たちの存在は問題です。

モチベーションとはモデルとなる職員がいるか!ということです。マイナスのイメージを職場にもたれては経営者がどんなに配慮をしてもよい職場にはなっていかないのです。

私たちの職場は、障害をお持ちの方の大事な人生にお役に立てているか?ということが問われています。エネルギーは利用者様に注ぎたいものです。そんな職場環境を互いに作り出さなければなりません。

この仕事は「大変だけどつまらなくない"いい仕事"」です。生涯かける価値のある仕事です。

(職員向けメッセージより)

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