2009年5月アーカイブ

"心ある存在"として

自閉症の人たちでストレスが整理されていない人たちは、支援者にとって"問題"となるさまざまな行為をしてしまいます。

多くは、ご本人が身体的、心理的にとてもつらいときに起こしてしまうストレス発散のために学習してきた数少ない方法です。

でもその行為が、我々の暮らしの中で容認ならない行為をしてしまうために本人ではなく我々にとって問題となります。

そして、その行為を続けていっても"生きにくさ"は増していくので違う方法(行動変容)を身につけなくてはなりません。

時間はかかりますが、何人もの改善が見られた人たちを見てきました。

間違いなく見えてる行為だけを止めようとしていてもうまくいきません。「その人が育ちの中でどのようにこの世界を体験(見えているのか?、感じているのか?)しつつ生きているのかということへの視点(支援者の眼差し)が大切です」

支援ニーズの大きさに潰されそうになりますが、"心ある存在"ととらえ、"より良い関係"を築き、"生きなおし(行動変容)"を促すという順番は変わりません。

(職員向けメッセージより)

私は、かつて近県の公的な施設で一スタッフとして勤務していました。

二人の子供にも恵まれ、地方ですので小さな家も持つことができていました。仕事には福祉的違和感は感じていましたが、平凡に子育てをしていく人生だろうと思っていました。

ただ、福祉の勉強はしてこなかったので、いいといわれる施設には見学に行き、優れた功績のあるといわれる人の講演などは聞きに行っていました。

だんだん施設の理想像がイメージできるにつれ、我がままなのか、胸にわきあがる感情、夢、希望などが無視できなくなってきました。

その後、いろいろな人との出会いがあって今に至っています。多くの優秀な人たちと仕事をしてきました。

今思うことは、能力の多くは「情報処理能力」の事を指すように思えます。つまりは時間的な問題です。人生の「価値」のために大切なのは何かを志向し、そのためにどんなことをしているのか?「志向のための思考」という能力を使っているのか、ということです。

使わない(気づかない)人は、その人生での結果をもらえないのだと思います。

(職員向けメッセージより)

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