「抵抗するクライアントなどいません。柔軟性に欠けるセラピストがいるだけです」
20世紀最高のセラピストと言われるミルトン・エリクソンの言葉です。
自在に言葉を操りクライアントを治療してきました。
その手法はエリクソン催眠といわれるものですが、TVなどで紹介される催眠術とは違いクライアントの意識はありながら、心の状態がよくなっていく方法です。
これは操作をするというより相手が受け入れやすいようにするということです。
手法は相手に合わせて様々ですが、
例えば、インティーク時に相手が「イエス」と言える質問をします。
私たちは無意識に防衛機能が働いてしまいますので素直には受け入れていないことも多くありますが、防衛が弱まり意思が伝わりやすくなります。
普通の会話の中で起こることなのでビジネスマンはよく勉強しています。
私たちの支援も良質なコミュニケーションを築くことから始まります。
行動変容をしていただきたいことがあるとしたら、まずは、支援者の存在がご利用者に不安を感じさせないことが大切です。
安定しているときにいい関係を築きます。
くすぐるったり、ハイタッチや肩をたたいたり身体的な接触も合わせてしておくと効果的です。
不安定になった時でもその支援者を見るといい心の状態の時のことが思い出されます。
このことをアンカーと言います。
他者とのいい関係の中で困難を乗り越えてきた経験を多く持つ人は強い人になります。
助けられるということは悪いことではありません。
良い人間関係とは助け助けられる関係のことを言います。
頑張らなくてもいい人生、そんなメッセージを持ちましょう。
私はご利用者に何度も助けられています。
良質な人間関係には、癒し癒される関係のことです。
福祉の仕事が助けるだけだと私たちの仕事は貧弱になります。
非言語のコミュニケーションはわかりやすいのです。嘘がつけないから!
仕事とは人生をかけて自らの人間性を高めるためにあります。
(職員向けメッセージより)