虐待の報道が後を絶ちません。
起こってしまったときに改善委員会等を設置して改善の勧告を出すのが通常です。
そこでは、福祉の仕事をする上での知識不足、多くは支援技術、スキルを使えないことが指摘されることが多いように思えます。
アンガーマネジメントを学んでいるときに教えていただいたことがあります。
ゴールデンサークルに当てはめて事業を考える方法です。
3重丸を描き、中心は「Why」(なぜ)2重目は「How」(どのように)、一番外側は「What」、「なぜ」というときには目的を問うてます。
何のために?
何を信じているのか?
その組織が存在する理由は何か?
なぜそれが大事なのか?
実際のところ私たちが考え、行動し、伝えるやり方は外から中へです。
明確なものから曖昧なものへと向かいます。
しかし、飛びぬけたリーダーや組織は中から外に向かいます。
たとえば、PCのCMでは、
「われわれのコンピューターはすばらしく美しいデザインで簡単に使えユーザーフレンドリーです・・・」
でも、ステーブジョブスならこんな風に伝えます。
「我々のすることはすべて世界を変えるという信念で行っています。私たちが世界を変える手段は美しくデザインされ簡単に使えて親しみやすい製品です」
人は「何」ではなく「なぜ」に動かされます。
どうしてでしょう!
私たちの脳を上から見ると三つに分かれています。
外側の大脳新皮質はロジカルな志向と言語を司ります。
内側の二つは大脳辺縁系、感情や信頼、そして意思決定、行動を司りますが、言語を持ちません。
私たちが、商品を買おうと思ったり、その分野で懸命に働きたいと思うのは、信念であったり、納得感であったり、言葉では説明できない感覚に引き寄せられるからなのです。
ボルボという自動車メーカーは3点式の安全ベルトを開発し特許をとりましたが、フリーにし世界中に普及しました。
多くの人の命を一刻も早く救うという使命を実践しました。
莫大な利益よりも大きな信用・信頼・企業イメージを得ることができました。
私たちの業界での虐待防止についても、当然のことながらスキルは大切ですが、福祉の理念、働く人たちの感情が大切なのです。
シンプルでいいのです。
福祉は、幸せや豊かさを意味する言葉、それには、絶対的な安心感が必要です。
福祉の世界は、
「ご利用者が愛おしい、この仕事が大好き!」という感情を創り出すことが大切なのです。
(職員向けメッセージより)