「寅」は「?」(いん:「動く」の意味)で、春が来て草木が生ずる状態を表しているそうです。後に、覚えやすいようにするために動物の虎が割り当てられたといいます。
つまりは、物事が「動く」年であり「生まれる」年です。
政権交代にまつわる様々な事柄・事件、スポーツ界、経済・金融と世界的にも次から次へとこれまで経験したことがないような事件が起こっています。社会保障も混沌としており答えが見えない中でご本人、ご家族、関係者がいつ、どのような形で、どんなふうに変わるのか、またそれまでの間どのようにしたらよいのか「見えざる不安」を感じています。
精一杯生きている人たちにとって、『先は良くなる』と言われても不安を抱えながら「すがる・祈る」しかない状態に追いやられていることがとても「つらい」ことだということを為政者は理解してほしいと思います。昨年、廃案になった現法律の改正案は超党派ですぐにでも動かすことができることだと思います。
社会福祉には、二つの側面があります。福祉水準を上げるためのすべての社会的活動をソーシャルアクションと言います。基本的には当事者が行うもので、代表的なものは戦後寡婦となった人たちの当事者運動で「女性福祉」という領域を作りました。
「典型例としてのソーシャルアクションは無くなった」と発言する研究者もいますが、私はその都度「障害者福祉の世界、とりわけ本人が『想い』を主張できない人の親たちは、これまでも運動をしてきたし、いまだに『親亡き後の不安』を抱えている」と答えてきました。高齢者はそのニーズについて数字をあげ進めています。その子供たちの問題ですからそのニーズの大きさを想定することは難しいことではありません。
いま一つは直接的な支援ということです。制度的には、配置基準やサービス単価などの条件が上がることによって飛躍的によくなることはあります。ただ、多くの先人達が大変な努力をされてきた理念や哲学をサービスのスタンダードレベルに集約することは出来ていません。どこのサービスを受けても一定水準のサービスが受けられるということは供給量が少ない現実の中では大切なことです。私たちの在り方が問われています。「生み出す」努力はしなければなりません。時代的なテーマです。
私は、一つしかない事実を多様性(選択肢があるということ)のある解釈(認知・捉え方)をし、安心感・幸福感という反応をいかにして導き出すか、ということだと思っています。「困ったことをする子は困った奴だ!」ではなく、「困ったことをする子は本人が一番困っている」ということは真実です。
私たち支援者は、「たった一つの命・人生の灯に油を注いでいく」役割だと思っています。