HOME > 新着情報 > 2010年11月の新着情報 > 手紙~親愛なる子供たちへ~ 樋口了一さんの本より
2010年11月12日
年老いた私が ある日
今までの私と 違っていたとしても
どうかそのままの 私のことを理解して欲しい
私が服の上に 食べ物をこぼしても
靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを 教えたように
見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を
何度も何度も 繰り返しても
その結果をどうかさえぎらずに
うなずいて欲しい
あなたにせがまれて 繰り返し読んだ
絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも 私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ
消え去ってゆくように
見える私の心へと
励ましのまなざしを 向けて欲しい
楽しいひと時に
私が思わず 下着を濡らして しまったり
お風呂に入るのを いやがるときには
思い出して欲しい
あなたを追いまわし 何度も着替えさせたり
様々な理由をつけて いやがるあなたと
お風呂に入った 懐かしい日のことを
悲しいことではないんだ
旅立ちの準備をしている私に
祝福の祈りを 捧げて欲しい
いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ
出来なくなるかも知れない
足も衰えて 立ち上がることすら
出来なくなったなら
あなたが か弱い足で立ち上がろうと
私に助けを求めたように
よろめく私に
どうかあなたの手を 握らせて欲しい
私の姿を見て 悲しんだり
自分が無力だと 思わないで欲しい
あなたを
抱きしめる力がないのを 知るのはつらい事だけど
私を理解して 支えてくれる 心だけを持っていて欲しい
きっとそれだけで 私には勇気がわいてくるのです
あなたの人生の始まりに 私がしっかりと 付き添ったように
私の人生の終わりに
少しだけ 付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで
私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って 笑顔で答えたい
私の子供たちへ
愛する子供たちへ
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GMが感銘を受け、皆さんへご紹介したい"ことば"です。